【神宮寺の枝垂桜】
4月15日午前8時、
気温は10.7℃、曇りです。
画像は旧軽井沢銀座商店街に面した、
神宮寺の枝垂桜。
樹齢400年と言われています。
旧軽銀座は
中山道軽井沢宿として、
今も昔も賑わった場所。
そこから一歩
神宮寺の境内に入ると、
別世界のような静けさが
漂っています。
ところで旧軽井沢に何度も
滞在した堀辰雄は、
神宮寺からほど近い
軽井沢郵便局前の情景を
このように書いています。
女性たちの
小鳥のようなおしゃべりを、
この桜は
何百年も聞いてきた
ということですね。
ー
■堀辰雄「ルウベンスの戯画」■
自動車は町からすこし離れた
ホテルの方へ
彼のトランクだけを乗せて
走って行った。
それのあげた埃が
少しずつ消えて行くのを見ると、
彼はゆっくり歩きながら
本町通りへはいって行った。
本町通りは彼が思ったよりも
ひっそりしていた。
彼はすっかりそれを
見違えてしまうくらいだった。
彼は毎年この避暑地の
盛り時にばかり
来ていたからである。
彼はしかしすぐに
見おぼえのある郵便局を見つけた。
その郵便局の前には、
色とりどりな服装をした
西洋婦人たちがむらがっていた。
歩きながら
遠くから見ている彼には、
それがまるで虹のように見えた。
それを見ると
去年のさまざまな思い出が
やっと彼の中にも
蘇がえって来た。
やがて彼には
彼女たちのお喋舌(しゃべ)りが
手にとるように聞えてきた。
彼は彼女たちのそばを
まるで小鳥の囀(さえず)っている
樹の下を通るような
感動をもって通り過ぎた。
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撮影日20260414












