春期企画展
《 堀辰雄と古典文学の世界 》
文壇に登場した若い頃の堀辰雄は、西欧文学に影響を受け、「不器用な天使」「ルウベンスの偽画」「聖家族」などの作品を発表しました。
昭和12年頃から日本の古典を研究的に読むようになり、『蜻蛉日記』から「かげろふの日記」「ほととぎす」,
『更級日記』から「姨捨」、『今昔物語』から「曠野」など古典に取材した作品や、「若菜の巻など」「姨捨記」など古典について書いた随筆を発表しました。
また堀は、作品構想のため奈良や京都などを旅しその所産が、『大和路・信濃路』となりました。
追分の地で病床の日々を過ごした晩年まで、古典に対する研究を続けました。
本企画展では、堀辰雄の中期以降の作品に大きな影響を与えた「日本の古典」と堀辰雄文学の関わり、そこから生み出された作品の背景について、関係資料により紹介します。