このたび、「戦後80 年 壺井栄『二十四の瞳』~図書館情報学の世界から~」を旧朝吹山荘「睡鳩荘」において開催いたします。
壺井栄は、1951 年以降、夏から秋にかけて信州・上林温泉に赴き、塵表閣に滞在して原稿を執筆しました。
1956 年8 月に中軽井沢・上ノ原に別荘を新築して以降、毎年5月から11 月頃まで別荘で仕事をするのが習慣となり、軽井沢ゆかりの文学者の一人になりました。
親から孫の3世代にわたり読み継がれてきた『二十四の瞳』は、戦争と平和を考える文学作品として、今こそ読み継がれてほしい名著です。
今回の『二十四の瞳』の関連資料は、図書館情報学の視点で収集しました。
図書館情報学は、図書館職員の仕事を体系化し情報専門職を養成する過程で誕生し、「知識共有現象」を対象とする学問領域へと発展しています。
壺井栄が考えた『二十四の瞳』の構想は、原稿用紙に執筆され、雑誌連載を経て、単行本や全集の一冊として約100 冊刊行されました。
さらに、映画・演劇・テレビ番組・ラジオ放送の原作として取り上げられたことで、多くの人々に『二十四の瞳』の世界が伝えられてきました。
今回、直筆原稿(複製)、作品の初出掲載雑誌、初版本から各種の単行本・全集の一冊・児童書、研究書・研究論文、映画化・テレビ番組化された映像資料、映像資料の脚本・シナリオ・スチール写真、海外で翻訳出版された図書、『二十四の瞳』に関する観光グッズ等の一端を展示します。