第二次世界大戦後、文学の分野では、終戦直後の混乱期から様々な実験が試みられ、驚くほど多様な作品が誕生しました。
今回、多くの作家から文芸評論家・荒正人(「近代文学」創刊同人)に献呈されたサイン入り献呈本約五〇〇冊を初めて一挙公開します。
安部公房や三島由紀夫、大江健三郎をはじめ、軽井沢に山荘のあった中野重治、佐多稲子、福永武彦、中村真一郎、辻邦生、北杜夫ら100人余りの著作を展示します。
戦後80年という機会に、戦後文学の豊饒な全体像をあらためて見つめます。
荒 正人(あら まさひと)
一九一三(大正二)年 - 一九七九(昭和五十四)年。
文芸評論家。福島県生まれ。東大英文科卒。
一九四六年、埴谷雄高や平野謙・佐々木基一・本田秋五・山室静らと創刊した「近代文学」は文芸評論家荒正人の出発点となった。
『第二の青春』『市民文学論』『漱石研究年表』(毎日芸術賞)など。
法政大学教授。英文学の翻訳、推理小説の著作・訳書もある。(著作集全五巻あり)