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軽井沢を知る

About Karuizawa

軽井沢に見られる樹木

軽井沢の林の現在

現在の軽井沢はほとんどの場所が林でおおわれている。これは、第二次大戦後、盛んにカラマツの植林をおこなった結果である。それまでは長年にわたる浅間山の噴火の影響や牛や馬の放牧地としての利用もあって、森林は少なかった。そのため大雨が降ると土砂崩れの恐れもある危険な状態であった。長年の努力もあって、今では軽井沢の林のほとんどがカラマツの人工林でしめられている。

森が移り変わっていく(遷移)

軽井沢の森林は浅間山の噴火の影響を大きく受けている。浅間山が噴火すると、真っ赤に熱せられた噴石、軽石などの噴出物で地表はおおわれ、その地域の植物はほぼ死滅してしまう。やがて時がたつとその場所にはコケなどの地衣類が生え、次には草本植物が生えるようになる。これらの植物が生えては枯れることで土壌が作られ、次第に低木が成長することができるようになり、やがては森林へと変わっていく。このように植物が何もない状態から草本植物が生え、森林へと変わっていくことは植生遷移(乾性遷移)と呼ばれている。
浅間山山麓では、噴火の後に地衣類が入った後、最初にイネ科やカヤツリグサ科の仲間の植物が生える。次にコケモモ、ガンコウランなどの高さ10cm程度の低木が生えるようになるうちに、だんだんアカマツやシラカバなど明るい場所に生える低木のタネが風で運ばれて、芽を出し大きく成長し、次第に森へと変化していく。浅間山山麓はこの遷移の過程の各段階を六里ヶ原などで見ることができる。

町の木・コブシ

町の木としては、コブシが指定されている。コブシは北国で春真っ先に白い花を咲かせることで有名な木で、軽井沢では4月下旬から5月上旬にかけて開花する。名前の由来は、秋に実るでこぼこした果実の形が拳に似ているからとする説と開花する直前のつぼみを、子供のにぎりこぶしに見立てたという説がある。

お勧めの樹木ウォッチングコース

~信濃路自然歩道~
樹木を観察するお勧めのコースは、峰の茶屋から白糸の滝を経て、小瀬、三笠へと下る信濃路自然歩道がある。このコースは湯川の沢沿いに整備された木道を歩く約3時間のコースである。歩道沿いではハルニレやミズナラ、カツラやサワグルミなどの巨木を見ることができる。

軽井沢に見られる主な樹木たち

●天然カラマツ林
カラマツの人工林が多い軽井沢であるが、天然の林も各地で見ることができる。まずあげられるのは、浅間山の山腹に広がる天然のカラマツ林だ。カラマツは日本特産の落葉針葉樹で、日本全国広い範囲で植林がされているが、天然のものは限られている。浅間山の天然カラマツの種から苗木がつくられ、各地へ植林されている。
●ハルニレ林
白糸の滝から竜返しの滝に至る信濃路自然歩道周辺や湯川に沿う場所には、細長くハルニレ林が残っている。ハルニレは川沿いなどの砂質土壌が堆積した少し湿った平坦地に良く見られるニレ科の樹木で、北海道から九州まで広く分布するが、北国に多い。大きなものは高さ35mもの大木になる。長野県内ではほとんどが伐採され、町内に残るものは貴重である。
●ミズナラ、コナラ林
この他には、浅間山山麓に広がるミズナラ林、碓氷峠や八風山などにあるコナラ、ミズナラなどの林があげられるだろう。ミズナラ、コナラとも秋にはドングリを実らせるので、鳥や哺乳類など動物たちへ貴重な食料を提供する。この地域の生態系にとって重要な役割をになっている林だ。

そのほか軽井沢で見られる代表的な樹木

●アカマツ
日本全国の山地にごく普通に見られ、赤褐色の樹皮が特徴。乾燥に強いので、浅間山麓では広く植林されている。六里ヶ原や鬼押出しでは、溶岩のすき間などから生えている姿をよく見かける。
● トチノキ
沢沿いの少し湿った場所でよく見られる。大きなものは周囲4mを超えるほどにもなる。軽井沢でも湯川で大木を見ることができる。
●シラカバ
本州中部以北の寒冷地に分布し、白い樹皮が目立つ。山地の日当たりの良いところに群生する。高原を代表する樹木の一つで、標高1000m付近から見られる。
●ウラジロモミ
日本特産の常緑針葉樹。普通高さ20~30m、直径50~80cmになるが、大きなものは高さ40mに達するものもある。軽井沢では別荘地内や里山に点々と分布している。庭木やクリスマスツリーなどに利用される。

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